外に5分立ってるだけで凍ってしまうであろう極寒の日で、当日こんな日だったら絶対めげて無理だろうとだんだん気持ちは暗くなった。
いくら根性があってもそれはあまりにも命知らずと言うもの。入場する頃には札幌雪祭りのような銅像になっていること間違いない(笑)
天気予報の週間予報では、日に日に寒さが増すとの予報で、とにかく体調だけは万全で挑もうと頑張ってた・・・・のに、流行りまくりの風邪をついにうつされた気配、やばい。
とにかく、土曜は何も無かったので日本からの風薬をがんがん飲んで、熱いお風呂に入って汗をかくなどして「病は気から」の根性で見事日曜の朝にはリカバー。よっしゃ!!
土曜のうちにファンクラブのウェルズに住むペトラに電話をし明日何時ごろウイーンに到着するのかと聞くともうウイーンに到着しているとのこと。でも、具体的にむこうはからはどうなったとか、明日何時ごろに会おうとかは何も言ってくれない。
で、こちらから聞くと「会場は6時ごろからの入りになるからそれくらいに行くと思う」という返事。
開演は8時からで並ぶのが6時ということは今回も会員優先入場なのかと思ったけど、どーも何かが引っかかった。
「まあいいや」と、ベットに横になりながら明日の予習をする。
隣りでケントが「明日ブライアンに会ったら絶対渡してねっ!」となにやら一生懸命そりに乗ったブライアンの似顔絵クリスマスカードを書いている。
かわいーのぉ、さすが私の子や(笑)
当日、興奮のあまり良く眠れなくて8時起床。
窓の外は晴れた良い天気だけれど、こういう日に限って窓を開けると寒いのはもう分かりきってる。
恐る恐る窓を開けると、それでもこの間のマイナスの天気よりはかなりましだったので「頑張れる!頑張ろう!」と喝を入れた。
少しずつまだだるい体をウオーミングアップさせてゆっくり熱いシャワーを浴びて仕度を整えそれでもまだ11時。
カールは「うれしいでしょ?うれしーいー??」と何度もちゃかして聞いて来る。
「良い旦那さん持って幸せだー」っていちおうヨイショしとかないとね。
だんだんすることがなくなって出かけたくなるけれど、とりあえずペトラにどうなったか電話を入れてみる。
「まだウイーンの近くにいてやっぱり行くのは6時すぎになりそう」 との返事。
「じゃ〜入場のプライオリティーは今回有るの?」 と聞くと
「まだプロモーターと話が出来てなくて定かじゃない」 と、やっぱり。
「じゃ〜私先に行って並んでるから、後で電話して」 ということで少し早いけど出かける事にした。
本当は、泊まっているであろうホテルに行く予定だった。
というのもそこには知り合いがいて聞けば情報をくれると思っていた・・・はずだったけど、つい2週間前に任期を終えて日本へ戻ってしまった。
が〜〜〜ん!
そのホテル、ウイーンで1、2を競うヨーロッパタイプの☆☆☆☆☆ホテルで今まではいつもここを利用していたのは知っていたけれど、昔と違って最近キャパの小さい会場になりつつの傾向で、もしかしてホテルのランクも下げられてるかもと疑問に思いはじめ確信が持てなくなっていた。
それに前の日がプラハに近いドイツのツヴィッカウでのライブ後ウイーンに入るという事は何パターンもの方法が考えられるわけで、仮に私であればライブ後しっかり寝て朝起きてプラハへ向ってそこから飛行機で1時間、もしくはライブ後そのままプラハ入りして同じく飛行機でという方法を考えるけれど、もしかしたら早朝出て8時間はかかるであろう道のりを寝ながら車で来るかもしれないし、ブライアンの場合変更が多いから読めないんでこの計画はNGにした。
車で走り出した頃、さっきまでの良い天気と打って変わりぼた雪が吹雪だした。でもまだまし、雪が降ってる方が結構暖かいから何とかなるだろうとちょっと遠回りをしながら会場へ到着。
時間がまだ早いせいかスムーズに路上に駐車できた。
ウイーンは土曜、日曜、祭日、駐車禁止区域以外はフリーパーキングなんで駐車場に入れるよりも路上に停めておいた方がライブ後スムーズかと思いちょうど良い場所もゲット出来てヨカッタ。
今日の私の出でたちだけれど、とにかく外は寒く中は蒸し器のような茹だる暑さ。
色々考えて軽装にして軽めのでもカシミアがちょいと入ったロングコートにホカロンをあちこちべたべたに貼り付けた、まるでピストル携帯してる刑事のようだ。
中で脱げるようにノースリーブの軽めのニットに、願懸けのつもりと「一人じゃないぞ」と思えるように、去年初めて参加して最高の1日だったあの、あだもちゃんのライブに着て行ったカーキーのシマロンに、マイカラーのパープルのカーディガンをはおって行った。
ブーツの中にもホカロンを入れて「バッチシ!!」のはずだった。
が、靴の中のホカロンは30分後には冷たく凍りのようになってしまった。
私が着いた頃にはすでに5人の先客が並んでいて足踏みしながらコーヒーをすすっていた。
これから3時間以上も待たなければならないのにトイレの事など考えると私など朝からほとんど何も口にしていなかった、口にしているのはガムだけ。
それでも並びはじめて30分で、何も飲んでないのにトイレに行きたくなり後ろの子にごめんなさいして館内のショッピングセンターに走っていった。
「あ〜天国と地獄だ」そう思った。
自分の体の氷がだんだん溶けていく感じがわかるようなそんな感覚。
吹き抜けのホールには日曜でお店は閉まっていて、開いているのは飲食店か数店舗とマクドナルドだけ。
でも、コンサートに来たのであろう人たちがたくさんいてビールやワイン、そして暖かい飲み物で楽しそうに会話している。
「私はまるでマッチ売りの少女だ」そんな気分になった。
さすがヨーロッパ人だ。
みんなよっぽどの人でない限りギリギリまでここで暖をとっていようという考えだ。まあ、おかげで前から六人目になれたけどね〜。
そんな人たちを横目にトイレに急いで用を足し、靴底のホカロンを取り出しコートに貼り付けていたもっとでっかいやつを足の裏に張りつけた。
鏡で自分の顔を見るとまるでサーカスのピエロのような真っ赤な鼻になっていた。
急いで戻って時計を見るとまだ来てから1時間も経ってない。
1分がとてもながーく感じられる苦痛の時間。
「アフガニスタンの現状を思えば私なんかこの時だけだ」とか、並んでいる子達ともだんだん仲間の輪が芽生えはじめ暑くなる事をイメージしてみたり、サマーオブ69を足踏みしながら歌ったりして、みんなでめげるそうになるのを励まし合った。
1時間ちょっと経過する頃には隣りの当日券売り場が開いてそれを求めに来た人が並びはじめた。
でもみんなが欲しいのは私たちと同じチケットのスタンディングで、残念な事にスタンディングはとっくに売り切れで残念そうに帰っていく。
2階の座席は2通りで、普通の指定とライブを見ながら飲食出来るちょいとお高めのチケット。
でも誰もそんなチケットは興味がないようであった。
ガラス張りのドアの向こうとこちらの天国と地獄。
あちら側ではセキュリーティーの人たちや売店の用意を始める人たちがヌクヌク暖かそうに作業を始めてる。
「おまえらアホちゃうか?」みたいな目で見られてるような気がする。
そうこうしているうちに整列用のゲートが表に出され、その枠の中に並ぼうとするとその枠から離れてもっと後ろに行けとおっかない顔のセキュリティー。
「おめーみたいなやつ、ブライアンが一番嫌いなんだよ!」と心でぶつぶつ。
下がったのはいいが雪と風が吹雪き出して震えが止まらなくなってきた。
足の感覚が一切無くなって動かしてないといざ出撃という時に動けないのではと思うくらい感覚が鈍い。
5時半をすぎる頃列もようやくヘビぐらいの長さになってきてその熱気おかげで心持ち暖かい気がして来た。
「あと1時間半、もうここまで頑張れたんだから屁でもない」相変わらずペトラーからの電話も無く、きっと私には言いたくない何かがあったんだろうな〜と、もう一切気にするのは辞めにした。
かりに今から電話が来て「並ばなくても入れるよ」って言われても多分断ったと思う。
6時半過ぎ、ついにセキュリティーが半券を入れる大きいビニール袋を持って出てきた。
ずっとかばんの更にチャックの中に大事に入れていたチケットを、かじかんだ手で風に飛ばされないように慎重に取り出し、手袋の中に入れ込んだ。
カメラも一応持って来た。というか、ずっと股間の間に挟みっぱなしであった。
今回の警備はこの間のグラーツと違ってかなりきびしい。
持ってる飲み物も全て飲んでしまうか捨てろとおっかない。
わたしは股間のカメラを更に下の方に移動させた、シマロンのパンツはけっこう細身でヒップボーンではいてるからかなり苦しい。
まるでおかまのようだ。
ボディーチェックが済んだら走る妨げにならないように即座にウエストまで上げてこようと思った、あ〜つらい。
ついにその時が来た。
半券を切ってもらい、女性のボディーチェックも見事パス!真っ正面の扉まで一直線に走った。
まだ、扉はしっかり閉ざされていて、入れないようにあかいTシャツのセキュリティーがしっかり番をしている。
中からは、サポートバンドの演奏が聞こえて来る。
サポートバンドといえば、今回スイスやドイツの数都市で“ECHT”というドイツの人気若手グループが前座をこなし、ECHTもブライアン以上のかなりの人気バンドなんでオフィシャルのフォラムでは前列がこのバンドのファンの子達で占拠されるのではないかという不安の話題で持ち切りになっていた事が思い出された。
ところがどっこいここはオーストリアだ。
そんなかっちょええバンドは未だかつてブライアンの前座で見たことがない。
ちなみに今回のサポートバンド“FALSCHE FREUNDE”
だったかな〜?ちょっと定かでないけど直訳すると悪い仲間(友達)みたいな名前のバンドで当人たちを見る前から名前だけで周りのみんなは笑って盛り上がってた。
右と左と二手に分かれた左側の扉の真ん前に今か今かと心臓が口から飛び出そうなくらいの緊張の瞬間。
セキュリティーの頭のようなおやじが立ってる下っ端のセキュリティーにもう一度並んでいる人のチケットが全てスタンディングになってるかどうか確認しろという指示と同時にドアが開く。
「何言ってんだい!!」って感じで押せ押せの人込みに飲まれないようにさっさと潜り抜けひたすらGO!!
もう1つの鉄の扉を自分で開けると10段ほどの木の階段転ばないようにでも2段とばしでジャンプ、前を見るとすでに前列には何時の間にか人が溢れてる。
「なんで?ずるい!でもそんな事はどうでもいい、とにかく左、左、ブライアンはいつも左、左なら前列の端っこでもいいや」ととにかく40メートルほどの距離を全速力でダッシュした。
たまたまほんとそこしか見えないかのように鉄策に手が届いた。
「やったぁ!こんな美味しいところが空いていた」
さっき走りながら前方を見ていた時はどこももうスペースがないように見えたのに神様、パパ、ママ、おばあちゃんありがとう!!
左隣は「おみゃ〜らなにしに来たん?」って思うほどベタベタのカップル私の間左にそのわかーい彼女で後ろからしっかり支えながら愛撫を繰り返すその彼。始まる前からいちゃつきまくりでした。
その反対の右はお母さんと娘。丁度ポジションをゲットした時鉄策の出っ張りで指を切って痛そうな娘さんに持っていたバンドエイドをあげたらとっても喜ばれた。
でも可哀相にこのお嬢さん、ライブが始まる前に貧血でダウン。なんとかして立ち直ればとの願いもかなわずリタイヤー。
2人分のスペースが更にブライアンに近づいた。
お隣りは、なんとさっきまでの寒中一緒に頑張り通したウイーン大の若いお嬢ちゃん達、また一緒になれてうれしかった。
話していくと彼女たちは2年前の私がWYGを歌ったあの時からのファンだそうで去年のグラーツも来ていたとか。
デュエットの話をしたら「えーうそー!!あの時の彼女?」って思い出したみたいで更に会話が盛り上がりブライアンを待つまでの間の時間を楽しく過ごせた。
後ろを振り返ると、まだまだ時間が早いせいか2階席などガラガラだった。
ステージには例のいつもの白いアンプと、ミッキーのYAMAHAの白いドラムが更に気持ちをワクワクさせてくれた。
相変わらず喫煙者が多い、それにモラルの無いこの人たちは禁煙のマークが貼ってあるにも関わらず、平気でモクモクとタバコを吸っている。
それを横目で見ても注意しないセキュリティーもどうかしている。
私から見ると注意するというpoint of viewがかなり違う。
例えば前列の鉄策の前に1段ずつ段になっていてかばんを置いたら凄い勢いでやってきて置くなと怒ってる。
もちろんカメラマン用の場所なんだろうけど妨げにならないようにその段の下の死角にそっとおいても駄目、なのにあんな密室でタバコはOK。
そっちの方が命に関わるのに、それにむかしウイーンの劇場で火災が起きて沢山の人が亡くなったそういう過去もあるのに。
この鉄策からステージまで、なんと手を伸ばせば手が届く距離。1メートルもないのだ。
これは利点、こういった利点を考えれば許せない事も無いけどね。
8時過ぎ、サポートバンド登場。
とてもイケテないルックスにいなかっぺまるだしのお兄ちゃんたちには思いっきり会場からブーイングがでた(笑)
ベースの人など柳のように細くて出でたちも、去年のブライアンたちの真っ白な体操のお兄さんスタイルを真似しているのか、はじめバックステージ口から出てきたのを遠めで見たときブライアンかと間違えたくらいだったが、でも似ているという意味は必ずしも良い意味とは限らないのである。
1時間ほどのつまらない演奏の後、ステージに現れたブライアンのクルーたち。やっと鼻の先まで時間が来たという実感で胸が一杯になった。頑張って良かった。
照明係が2人はしごを登って行き、サウンドチェックも始まった。
隣りの子が5分いや、3分おきに今何時かと聞いて来る。
会場もあっという間に2回まで満席になり緊張感が高まる。途中で忘れないようにメモとペンを用意し、来ていたカーディガンも途中から脱げなくなると思い脱いで腰で結んだ。
問題はカメラだ。
今日のセキュリティーかなりブライアンの嫌いなタイプらしい。
こんな一番前の美味しいポジションでトラブルは起こしたくない、なぜなら私のとこからその獲物を探している目がギラギラと光っているのがわかるから。
とりあえず、カメラはバックに入れたまま体が左右にずれても無くさないようにかばんを足元で固定した。
カメラマンが続々と私たちの前を横切りはじめた。
時計は9時5分過ぎ、照明が落ちて始まりのBGMが始まる。
「見えた見えた!」暗がりの向こうから見慣れたシルエットが3つ現れた。
BACK TO YOUのイントロと同時にLEAD SINGERと白い文字が書かれたグレーのTシャツに、ブルーデニムのジーンズ、黒の先が丸みのあるちょっとごっつ目の革靴。去年より更に短くなったヘアースタイルで2年前の痩せ過ぎ?と思ってた頃よりがっちりと、悪く言うとちょっと中年の域に入っちゃたぁ?って感じで体つきが変わったと思ったそんなブライアンが目の前に現れた。
キースはその傾向ががもっと表れているかのように会うたびにそちら路線の体型に変化している。
同じくLEAD GUITARと書かれたTシャツに彼のジーンズには多分馬と思われるような模様が描かれていた。
ジャンプするのもちょっとウエイトが増えたせいか重たそうで苦しそう(笑)でもキース大好き。
かわいいおじちゃんというイメージがぴったり、笑顔がいい。
残念な事に私のところからミッキーはまるで見えなかったけれど今日は途中から顔を真っ赤に火照らせながらもサンタの帽子をかぶって頑張ってくれた。
カメラのフラッシュは止むばかりか、スポットライトがあたったブライアンめっちゃいい顔してる。ノッテるのがものすごく伝わって来る。
グラーツでのあの具合の悪そうな目は何処にも無い。うれしい。
ついに私の目の前に来た。
手を伸ばせば届くくらい近くて、真下から見上げるブライアンのあごのあたりの赤いプツプツまで良く見える。高い整った鼻も、細めた目が誰を見ているのかわからない涼しそうな眼差しもめっちゃセクシー。
ギターを奏でる腕からブロンドに靡いたヘアーも、もうほんと目が良くていかった〜って思えるくらい良く見えた。
何曲かの演奏の後、僕はリードシンガーのブライアンですと、軽くメンバー紹介。
感激したのはドイツ圏をずっと周ってきて今日が最終日、すっかりドイツ語が板に付いている。
HOUSE ARRES Tも今回生で初めて聞けて鳥肌もん!
一緒に大声出して歌ってるこっちの方が倒れそうになるほど凄いパワーだった。
同じくWUTNからのTIDAGTHもめっちゃしっとりしてて良い感じだった2番はカットしてI fell〜からの短いのがちょっと残念だったけど。
その後のクリスマスタイムは歌う前に面白い事言ってた。
ずっとこの歌の事忘れてたというか、気にしてなかたのか、たまたま移動中の車の中のラジオからこの曲が流れてきたらしく、「そーだよ、これだよ良い曲じゃない!クリスマスにはやっぱこれやるしかないでしょって」気が付かされたみたいなコメントしてた。
それから、ライブの前にtv局のインタビューされた質問の話題になって「なんでいつもそんなにツアーばかりしているのですかって質問されて、本当は答えはそんなに簡単じゃ無いんだけど極シンプルに答えておいたよ、ほんとにさ、そんな簡単に答えられるもんじゃないけど
「Cz I like singing!」ってね。会場は爆笑。
その後のジョージ・ハリソンの曲の前にも、
「今年は色んな出来事があったと思うけど、その一つでもあるジョージハリソンの死はとてもショックだった。その彼にこの曲を捧げます」と話してくれた。
大好きなPFGMが流れ、確か2年前はこれがアンコールのラストだったなと思い出しながらせつないメロディーと彼のささやくような歌声に溶かされそうになった。
会場が急に明るくなると私はすぐに分かった。
「あっ、あれね」でも、ブライアンはこう言ってみんなをまた笑わせた。
「明るくなったけど誤解しないで、終わりじゃないから」
そう言いながら、「Meine Dame und Herrn」これはドイツ語でいうLady and〜の意味で美味しいとこついてておちゃめ。
WYGの今日のパートナーを探しはじめた。
そりゃ〜あたしだって許されるならもう1回歌いたいさ、HEAVENだってカナダのサブリナさんだって2度選ばれてるんだし・・・・・
でもね分かるの。
だって前列の方見ようとしないんだもん。なるべく後ろの方から見てるねいつも。
結局すぐパートナーが見つかって、ステージに上がってきたのは黒のノースリーブのテカテカTシャツ来たグラマーな胸をゆさゆさと「触わってもいいのよBRY!」とでも言いたげの見た感じ22、23のヤングギャル。上がるなり抱き着くはキスしまくりで離れない、抱っこちゃん人形のような子だった。
ボインフェチかいな
もちろんブライアンは言うまでもなくどうだったか分かるでしょ(笑)
B「名前は」
A「アンドレア」
B「何処から来たの?」
A「〇〇××」
B「??・・・・あっそう、〇〇××からね〜」
私も彼女が何処から来たのか聞き取れなかった。多分クロアチアとか、東欧からだとおもうけど。
B「何してるの」
A「数学の先生してる」
B「数学ちゃんと教えられるように、英語もちゃんと話せる?」
A「NO」
B「これから一緒に歌う曲だけど歌詞みないで完璧に歌える?」
A「うん、たぶん」
ともじもじしている彼女に
B「じゃあ僕が個人的にちゃんと教えてあげるから大丈夫。」
と必要以上に優しく抱きしめながら曲の指導。
歌が始まって歌詞カードなど見てない彼女、目はブライアンに釘付け。
歌うのかいちゃつくのかはっきりせ〜!!ちゅうくらいハエ取り紙みたいにベタベタのヤングギャル(笑)
でかけりゃいいのかっていう超スペシャルなウエポンで悩殺しまくり。
間奏の間は彼女の胸に後ろ向きの体勢でぴたりとくっつき、彼女の左肩に頭を乗せて、おねーちゃんんは胸をぐいぐい彼の背中にこすり付けながら腰を振り振り。
あ〜なんかあたし、エッチ小説書いてるみたいになってきた。
でもこれありのままを書いてるだけで、ほんとすっごかったんだから。
終わってまたまた2・3・4・・・・・何回ほっぺにキスしてただろうか何人友達が一緒かと聞くと10人ぐらいと答える彼女に、お決まりのTシャツが下で用意されてるから持ってかえるように言われていてもまだ離れない。
彼女が去った後、数学は嫌な思い出で自分の学生時代の数学の嫌いな先生の話なんかをしてくれた。
話がちょっとバックするが、クリスマスタイムの最後の歌詞の事を思い出した。
たしかSay the X’mas will never go awayから
Merry X’mas we will wish everyday (多分・・・間違えてたらごめん)
に替え歌されて、本人もその部分歌いながら笑ってたし。
この後半のステージ頃から、私の周りの女の子達がバタバタと倒れはじめた。さっきの始まる前の彼女といい、今度はなんと隣りのウイーン大の女の子が倒れ、それでもその場を離れないって叫んでる。
「水持ってないの!!って人に突っかかって来る」おいおい、私は何なんだい。
なんとか立ち直らせようと「ガムはあるけど」小声で言うと「そんなのいらないから水!!」と更に高飛車な態度。
そうこう言いながら彼女、体の力が抜けてだんだん周りの人を巻き込んでる。
何時の間にか私は大声でセキュリティーを呼んでいるがなかなか声が届かない。
やっとの思いで隣り伝いで事態に気付いて駆けつけるセキュリティー。
いやだ!いかない離れないと騒ぐ彼女を柵の向こう側から2人係りで引っ張り出しステージ横から運び出される。
ブライアンの真ん前だ。歌いながらも気にしている様子がこれもまた可笑しかった。
どの曲の時かはちょっと記憶が定かでないけど、真ん中あたりの中央を歌っている最中に指差して、カモン!カモン!って指でおいでおいでのサインを始める。何事かと思った。
今までこの曲の時にだれかをステージに上げるパフォーマンス今までにあったけ?
すると、柵のこちらから元気よくぶっ飛んでハイになってる馬鹿青年が飛び出してきた。何故に???わからない・・・・。
セキュリティーも横から飛び出してきたかと思うとステージに上がろうとするそのおばか少年の小頭を思いっきり右手で押さえつけストップさせたのは我らがブライアン様。
まあ、ああいう時はつい自分の事ではないかと過信してしまうのが常だというのは良く分かるけどね。
欲しいのは君じゃないのだ。
ブライアンが欲しかったのは携帯電話だった。
この話はよく聞いている。マイアミでも、UKでもあったというレビューをみた事がある。
電話を受け取ると、右耳にそれを当てながら大声で歌ってる、「もしもし」でも「ハロー」でもない、素知らぬ顔で歌声を相手に聞かせているだけ(笑)
後半のトークも笑いたっぷりの可愛いドイツ語を連発させマイン シャッチィ〜って英語で言うマイスイートハートみたいな感じで使う言葉とか、けっこう何処で使うと笑いが取れるかって心得てるみたいでなかなかだ。
それから突然1枚のはがきを持ってきたかと思うと、
「これはグリンピースからのお願いだけれど、捕鯨をやめさせるための署名運動をしているんだ。君たちからも是非日本の首相にこのポストカードを送って止めさせるようにお願いして欲しい。君たちが帰るときに出口でチラシとポスとカードを受け取れるようにしておくから」と言いながら後ろから更なる束のポスとカードを持ってきて前列から配るようにと手渡された。
数分後にはその束は中に浮いてたけど。
ここで残念で情けないのがあたしの英語の理解力だ。
このカードのコメントについてもしこれをしてくれたら、ブライアンから何かがあるような事を言ってたけど理解出来なかった。
Bryan write・・・・
確かこう言っていたようだけれど意味がわからない。くやしい・・・・。
10時半をすぎた頃THE ONLY・・・でとりあえず終了する。
この曲の前に演奏された TAKE ME BACKや、ONE NIGHT・・・はやばいくらいに新鮮だった。
歌いたいのに歌詞を覚えてないくらい懐かしい。
またまた、ご近所さんがバタバタと倒れはじめた。
さっきのおばか少年もまた柵を乗り越えて出てきたかと思うと、今度は顔が真っ青。自ら退場していった。
続々と起きるこの光景にブライアンも「お気の毒に」の眼差しでちらっと見たりしている。
アンコールは Cloud no.nine。
お決まりのあの腕の体操のお時間だ。
みんなももうあと残り少ないのがわかるせいか、盛り上がりが異常なほどになる。
キースも曲が終わるとはぁ〜はぁ〜言って猫背で肩を縮めて息をしてる。
自分の真ん前のマイクでブライアン、キースーがお得意のパフォーマンスを見せてくれている最中は当に昇天だ。♪ナンバーナ〜アイン♪
ブライアンのつばが、キースーの汗が上から降って来る。
キースの腕のヘアーはもう汗でびっしょりだ。ギターも汗でべとべとなのがしっかりと見える。
匂いを嗅ごうと臭覚に集中してみる。
キースは男性用コロンを付けてるような薄らとした匂いがした。
同じようにブライアンも今回は匂いがした、もちろん良い匂い。
石鹸のような本当に微香なさわやかな、そして男らしい涼しい匂い。
匂いまで感じられる、嘘じゃない、うれしい。
SOME BODY、RUN 2Uと続いて、TBOME。
やっぱり今回も間違えた、いきなり2番のフレーズを歌い出した(笑)
本人もなんでだろう?って思うくらいこれを歌う時は意識しているのに違いない、でも今回も間違えたね!
最後にもう一度、こんどはしっかりとメンバー紹介。
ライブ中、ブライアンはキースのことを誉めっぱなしだった。
いい男だ、ハンサムな奴、彼以上にギターを早く弾ける奴はいない! グレートギタリスト、マイハニー!とこんな具合。
キースーを呼ぶときはいつも私たちにSHEで彼の事を呼んでいた。
SHE S COMINNG!とかまるで奥さん呼ぶみたいに。
3人でしっかり肩を組んで最後の挨拶。
ミッキーがスティックを投げる、ブライアン、キースのピックも同じように。
凄く面白かったのがこの後の出来事。
キースー、ミッキーがブライアンを囲んで「脱げ!脱げ!!」と両手の平をパタパタさせている。
会場のみんなもその気にさせようとやれやれの大騒ぎ。
「よっしゃ!やったるわ」
と覚悟を決めたのかみんなブライアンに釘付けになる。
いかにも脱ぐようなそぶりでやってくれたのは、な〜んだ、
カトちゃんの「ちょっとだけよ〜」だ。
ジーンズの片裾をちらっと見せただけ、おもんない(笑)もっとまともな芸当ないんか、さぶさぶさぶ。
またまたミッキーが変な事を始めた。
肌色のイヤーフォン(?)を両胸にあてて乳首をつくって遊んでる。
あとの2人もいい気になって3人で横向きになって胸の大きさ比べなんかおっぱじめた。
こいつらもしかしてあたしとサルが一緒かも・・・って嬉しくなったのは説明するまでもない(笑)
ブライアンが変な事を思い付いた。
LEAD SINGERのTシャツのLEADSまで右手で隠し、左手でRを隠したかと思うと。
「MY NAME IS INGE!」と女の子の真似をして体をくねくねと動かして、とっさに思い付いた自分のギャグに思いっきり自己満の様子。
かわいいな〜42歳。
私はアンコールが始まったあたりからケントの手紙を何とかして渡そうと必死でタイミングを狙っていた。
真ん前のポジションに立ってタイミング的にはよくても、手紙のために演奏する手を止めさせてはいけないと思うからすごく難しい。
隣りの女の子達にも始まる前にブライアンに宛てたケントのクリスマスカードを見せていたんで、気付いてくれる様に協力してくれたが、やっぱし駄目。
「もう投げるしかないんじゃない?」隣りの子が言う、私もそう思う。
願いを込め投げてみた。
「あー失敗!!やっちゃった」ステージにのったのはよいが不運にも丁度マイクスタンドのでっぱりの影におちて向こうからは気が付かない。
あーあーあー。
こうなったら終わってから柵乗り越えるか、セキュリティーに取って貰おう。
そう決めて諦めた。
TBOMEのあとの3人で後ろへ戻る前に言ってくれた。
「今日のライブは今までのウイーンでのライブの中でもっともエキサイティングな夜だった、ありがとう!」って。
うれしかった。
ブライアンだって人間だしコンディションがある。
でも、やっはりいくら真ん前で良いポジションをゲット出来ても彼の機嫌がイマイチだとこっちもがっかりだもの。
3人がバックステージに消えた。あーもう終わっちゃう、次が最後だ。
汗を拭いて少しリフレッシュしたブライアンが再びステージに戻ってきた。
クルーから白いアコースティックギターが手渡される。
さっきジョージ・ハリソンの曲や、ETIDDIFYを歌ってくれたときのギターだ。
そしてこういった。
「これから演奏する曲は実際僕が歌ってるわけではないけれど、自分が他の人に書いた曲、でもそのうちこの曲もレコーディングしようかと思ってる。」
始まったのはそう、ローナン・キーティングのTHE WAY・・・・だ。これは楽しみにしてきた曲であり、あの甘いマスクと声のローナンとどんなDIFFERENCEを見せてくれるかと聞き物だった。
すごくいい、やっぱ人生経験が多いだけ歌の表現が若いローナンとは違う。
大人のテイストだ。
終わってしまった、本当にもう終わりだ。
そう思うと急に足の痛みや体の疲れが蘇ってきた。足の裏にはたこが出来て皮がむけているような痛みがする。ホカロンむりくり入れたからな〜。
その時、右端から私のマイクの前にブライアンが来てくれた。
ちゃーーーーーーーんす!!
とにかく握手を求めて腕を差し出した。
彼の手を握った瞬間言葉が出た、しっかり彼の眼差しは私を見ていると実感したから。
「Bryan、I have a letter for U!!」と握った手を放し手紙が落ちている位置を指差して示した。
ラッキー!!拾ってくれた、拾いに行ってくれた。